発行日 1949年10月1日
Published Date 1949/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210190
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まえがき
アメリカに關することには現在の多くの日本の人々は極めて高い關心をもっております,私もその一人でありましたし現在もその一人です,最近はアメリカに行って歸って來る人も大變増えまして國内にいても色々アメリカの事情を体得することができるようになりました,アメリカという國は地圖でみても大きな國ですが行ってみると盆々その大きさにおどろきます,従って短期日で而も限られた部分を見てかえって來てその見聞記をかくについては,余程注意をしないと実際とは違った印象を此を読む人に與えることがあります,理屈を云えば同じ物を見てもその人の日頃の経歴経驗に依つてうける印象は違い又それを文章にする時にも従つて異つてくるわけです。従つて見聞記をよむ時はそれを書いた人の経歴性格性質の大体を知つておけばその人の見聞記より実際に近い知識を身につけることができて後になつて聞くと見るとは大違いということがないと思います。此だけのことをふくんで頂いて私の此から書くことを御判読願い良いと思います。
私は今まで傳染病(急性及陰性)豫防に従事して來たものでありますし又アメリカへは昭和23年8月から24年8月迄一ヶ年主としてボストンのハーバード大学公衆衛生学部で一学生として公衆衛生を学んで來たものであります。徙つて此から申しのべますことの中にも学校の講義できいたことが多く含まれております。
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