連載 私のフィールドノート・【最終回】
ライフ
星野 晋
1
1山口大学医学部・文化人類学(医療人類学)
pp.1181
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100227
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台湾生活(life)も半年を過ぎ,フィールドワークがノリノリになってきはじめたころ,突然就職の話が持ち上がった。私は就職よりも調査を全うしたいと思っていたのだが,指導教授から就職を優先するように強く告げられた。私たちの業界は就職状況が厳しいためしかたなかったとはいえ,中途半端のまま帰国するのは悔しかった。しかしそれも人生(life)である。ケ・セラ・セラ。
地方の女子短大の生活科学科・生活文化専攻に所属することになり,学生から教官へと私のライフ・スタイルは大きく変わった。この学科名にある「生活科学」の英語はlife scienceである。あれっ,ライフサイエンスって「生命科学」じゃなかったっけ。そういえば,いま流行りのQOLも,生活科学科では「生活の質」と訳されるが,医療系だと「生命の質」と訳される場合が多いようだ。う~ん,混乱してきたぞ……。
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