医学のあゆみ・44
ハーフ・ライフ
杉 靖三郞
pp.37
発行日 1955年7月15日
Published Date 1955/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909871
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原子炉や,それからの生産物である放射性物質をめぐつて,わが国で今,やかましく論議されている。
放射性物質は原爆や水爆の原動力になるので,危険極まりないものである。しかし同じ放射性物質でもヨードや燐,コバルトなどは癌の診断や治療に対して,有力な武器になりつつある。ことに放射性コバルトなどは—ゴバルト爆弾になれば恐るべき人類絶滅兵器である—ラジウムの代用として放射線治療には,なくてはならぬものであり,しかも,ラジウムより使用が便利であり,また価も何千分ノ1かでできるので,その医療的価値は,きわめて大きい。
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