学生の広場
臨死患者の精神的看護を考える—膵臓癌末期患者の看護
陣内 まり
1
1佐賀県立衛生専門学校
pp.780-784
発行日 1987年8月1日
Published Date 1987/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923104
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はじめに
膵臓癌は臨床的に診断された症例では外科的に切除不可能のことが多く,切除可能例においても根治率は低率であると言われている.膵臓は頭部・体部・尾部の3つに分かれているが,癌はどういうわけか頭部に一番多く発生し,症状として腹痛・体重減少・黄疸・食欲不振等がある.
私が受け持った患者は膵頭部癌末期の患者で,治療や看護は対症療法となっていた.今回,腹水貯溜による腹部膨満と全身倦怠感が著明なため,生へのあきらめが感じられ,悲観的な患者に対しての看護を振り返り反省してみた.そして死を真近に控えた患者の看護について考え,これからの看護に役立てたいと思い,本事例を取り上げることにした.
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