連載 医のなかの想い—ドクター“のぞみ”の院内日誌・8
聞く心を忘れた日
小笠原 望
1
1高松赤十字病院第1内科
pp.802-803
発行日 1987年8月1日
Published Date 1987/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923110
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8月の津軽はねぶた祭である.祭が近づくと,夜遅くまで練習の囃子の音が遠くから聞こえてくる.祭が終わると,あっというまに津軽は8月の秋となる.
下宿のおじさんの晩酌は,夏でもきっちり日本酒3合で,私も時々呼んでいただいた.私の悩みや迷いに,おばさんは「うんだっきゃ,ねぇはぁ」と相づちを打ちながら話を聞いてくれた.「そうそう,そうですねえ」という,ほっとするその言葉の響きが耳に残っている.
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