連載 在宅看護への道・5
ある失敗—施設看護と在宅看護の違い
村松 静子
1
,
守田 美奈子
1
,
松沼 瑠美子
1
,
山田 京子
1
,
仲野 佳代子
1
1在宅看護研究センター
pp.738-741
発行日 1987年8月1日
Published Date 1987/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923093
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光子さんは,病院で2年近く療養生活を送っていたが,これまでに大きな合併症を起こしたことはなかった.病院から家庭へと環境は大きく変化し,看護や処置の方法も変わった.家庭の温かい触れ合いやきめ細かな看護など,在宅療養の良い点をたくさん感じる場面もあった.
しかし,病室の温室のような環境で保護され,体重も40kg前後と,抵抗力も弱っている光子さんにとって,在宅療養がすべてよいとは言いきれない面も多くあった.最も心配だったのは,肺炎や膀胱炎など,感染症の併発であった.消毒方法も限られ,設備も不十分な家庭の中で,どうその問題に対応していけばよいのか,私たちの不安も大きかった.実際に在宅看護が始まってみると,いくつかの問題にぶつかっている.その場面を振り返ってみたい.
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