特集 学生の医療事故を防ぐために
医療事故判例を導入した授業展開―看護婦の法的責任をどのように教えるか
良村 貞子
1
1北海道大学医療技術短期大学部専攻科助産学
pp.501-506
発行日 1994年7月25日
Published Date 1994/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900870
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はじめに
人間は誰でも過ちを犯すものである.その例として,交通事故がある.運転をする者は誰でも,事故が生じないようにと安全運転を願う.しかし,自分のちょっとした不注意や,他人の事故あるいは自然災害に巻き込まれて,いつもどこかで誰かが交通事故に遭遇している.
毎日行なわれている医療にも同様な現象がみられる.それが医療事故である.医療従事者は誰もが患者の安全を願い援助しているのではあるが,やはりいつも事故は生じている.新聞にも医療事故の記事が,日常的に掲載されるようになった.しかし,その新聞を忙しい看護職は読んでいるだろうか.身近にそのような事故が発生しないと,人はあまり関心を持たないようである.一旦医療事故が発生すると,その周辺は肝心の医療そのものに注意が集中できなくなるほど,混乱するのであるが.
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