グラフ
健康な部分を思い切って生かしてほしい—北祐会神経内科病院の看護
中田 輝義
,
江副 信子
1
,
本誌
1北祐会神経内科病院
pp.616-621
発行日 1983年6月1日
Published Date 1983/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922967
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北海道て唯一の脳・神経・筋疾患を専門とする神経内科病院(院長・浜田毅)が昨年末オープンした.脳血管障害をはじめ,いわゆる難病とのわれる疾患の多くは神経疾患であり,その治療法はのまだ確立されていないものが多い.そして患者の多くは,生活をしてのく上で,様々の機能障害を抱えながら生まざるを得ない.そして長期的な経過をたどるため,患者はもちろん,家族も多くの問題を抱え込んでしまう.ある時には,出口のなかなか見えなの状況に焦り,疲れ切ってしまう患者もいる.そんな患者に対し,看護側は,家庭復帰,社会復帰を最大の目標にして,1入1人の患者にあった,その人らしい生活ができるように自立への援助を試みている.
神経内科の患者はほとんどが生活機能障害を持っている.しかしいくら障害があるからといつても,健康な部分は沢山残っている.その健康な部分をうまく最大限に使つて生かすならば,何ら生きることに差し支えはない.今ある機能をいかに落とさないで,患者が自分の力を使つて,できるだけ行動を拡大してほしい,生活のリズムを作り上げていつてほしい,病院での生活をできるだけ今までの生き方通りにやってほしい,病院に個人の家庭を持ち込んでほしい,と願のながら看護婦は援助の手を伸べている.
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