アルコールの臨床・6
アルコールによって起こる肝臓病[1]
石井 裕正
1
1慶応義塾大学医学部内科
pp.693-696
発行日 1983年6月1日
Published Date 1983/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922983
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私が病院の外来診察室で接している患者さんには酒好きの人が多く,診察や血液検査を受けた後で,いちばん気にして質問してくることは,肝臓の病気の有無についてです.
肝臓と酒の関係は,素人にも知識としてはよくゆきわたっているようですが,それも当然のことと思います.なぜならば,アルコールは胃腸から吸収されて,それ以後の運命をすべて肝臓に一任しているからです.つまりアルコールの分解処理能力は,ほとんど肝臓だけで一手に引き受けており,肝臓の負担は大変なものなのです.
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