特集 入院患者の心理を探る—病みと不安
事例研究/急な隔離入院の不安から抑うつ状態に陥った患者への援助
藤田 玲子
1
,
西本 弘子
1
1山口赤十字病院内科病棟
pp.890-893
発行日 1982年8月1日
Published Date 1982/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922839
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はじめに
不安はなんらかの原因で日常生活が破壊されたり,異常に直面した時に経験する精神の動揺である.不安が極度に達し自力で解決できない場合,発作的な異常行動を起こしたり抑うつ状態に陥ることもある.このような状態が患者に起こった場合,日常生活とともに治療さえも順調にゆかなくなる.従って看護婦は,そのような患者の心理を的確に把握し,問題解決への援助を行い,療養に専念できる環境を整える責任がある.
我々は,メルカゾール治療により無顆粒細胞症を来し,緊急隔離入院となった患者にかかわる機会を得た.入院当初は突発的な異常行動を示し,その後,徐々に抑うつ状態に陥り,日常の単純な生活動作さえも1人ではできなくなったこの患者に,生活動作の拡大を目的として援助を行っていった.
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