Japanese
English
短報
著しい不安—抑うつ状態にMAO阻害薬が奏効した1例
A Case of Severe Anxiety-Depressive State Improved by MAO Inhibitor
横山 知行
1
,
多田 利光
1
,
飯田 眞
1
Tomoyuki YOKOYAMA
1
,
Toshimitsu TADA
1
,
Shin IHDA
1
1新潟大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, Niigata University School of Medicine
キーワード:
Anxiety depression
,
MAO inhibitor
,
Atypical depression
Keyword:
Anxiety depression
,
MAO inhibitor
,
Atypical depression
pp.307-310
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903417
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MAO阻害薬が抗うつ薬として登場してからほぼ30年を経た現在,我が国ではその副作用や食事制限の煩雑さのためほとんど用いられることがない薬剤となっており,近年我が国では,この薬剤の効果に関する報告はほとんどなされていない。しかし,英語圏では1970年代よりこの薬剤の再評価が行われており3),その適応をめぐっての研究が積み重ねられてきている。
今回,我々は著しい不安感,焦燥感,興奮,衝動行為,強い疲労感,過食,気分反応性の保たれた抑うつ状態を呈し,これらの症状が抗精神病薬や三環系抗うつ薬に反応せず,MAO阻害薬を用いることにより改善を示した症例を経験したので,ここに報告し,若干の考察を加えたい。
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