死への看護・8
家族の役割
柏木 哲夫
1
1淀川キリスト教病院精神神経科
pp.825-830
発行日 1977年8月1日
Published Date 1977/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922504
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はじめに
死への看護を考えるに当たって,家族へのアプローチも非常に大切です.患者の入院中,家族が付き添いとして患者と共に過ごす時間は多く,ある意味では,家族が看護の第一線に立つ場合もあるわけです.家族の不安や動揺がそのまま患者に伝わり,患者が不安や動揺を示す場合があります.
そこで,スタッフが家族をサポートすることが重要になります.そのためには,まず家族がどのような必要を持っているかをスタッフが知る必要があります,それぞれの家族が持っている必要や問題は,家族によって随分異なり,これまでにも強調してきたように,1人1人の家族を個々に取り上げ,チームとしてていねいに検討していくことが必要です.しかし,家族には死に至る病に悩んでいる患者を持っているという共通点があります.従って,家族には個々の問題をこえた共通の問題が存在すると考えられます.
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