特集 女性のアイデンティティと出産
父親の役割・母親の役割
金子 保
1
1淑徳大学社会福祉学部
pp.596-599
発行日 1980年9月25日
Published Date 1980/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205758
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はじめに
本稿の所論は3点に要約できる。第1点は,父母の役割が単独で演じられているのではないこと。そこには諸種の役割期待がある。夫婦の役割も持続している。第2点は,父母の役割が効果をもつのは父母概念によること。それは父母についての自己経験と父母としての自己経験により獲得される。第3点は,そのような役割や概念をコントロールする主体として,父母が父母としての自己を意識するとき,アイデンティティが実現されること。以上の3点である。
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