特集 リプロダクションと社会問題
東南アジア諸国のTBAの家族計画における役割
J.Y. Peng
1,2
1ハワイ大学公衆衛生学
2前:ミシガン大学
pp.467-473
発行日 1980年6月10日
Published Date 1980/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206265
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東南アジア諸国の田舎の地方では"トリアゲ婆さん"〔接生婆(国際的にはTraditional Birth Attendant:TBA)と呼ばれている〕が母性衛生に重要な役割を果たしている。彼女たちはお産をとりあげるばかりでなく,妊産婦の産前および産後の世話,また慣習的な治療やマッサージを行ない,ある者は人工中絶をも試みる。
"トリアゲ婆さん"たちはたいがいは年をとっており,結婚していてほとんど正式な教育をうけていない。"トリアゲ"(接生)の技術は親類の人たち,友達あるいは他の「接生婆」からうけついだものである。お産を取りあげて御礼にもらうものは少しの現金かあるいは食物,着物布類などである。お産の価は決められておらず,払う人の境遇によって左右されることが多い。
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