特集 老人ケアの現場から
特別養護老人ホーム「シャローム」における現状と課題—施設長の立場から
高原 敏夫
1
1特別養護老人ホーム「シャローム」
pp.869-875
発行日 1989年9月1日
Published Date 1989/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922356
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肩に力を入れないで
1984年8月,「シャローム」(ヘブライ語で平安,平和の意)開設当時,筆者が老人ホーム運営の案内書としていた『老人ホームはいま』(ミネルヴァ書房,1980)の著者,大分県の社会福祉法人任運社の理事長,吉田嗣義をこの春に訪問する機会があった.その折りの「余り肩に力を入れないでやりましょう」という言葉が強く印象に残った.
現在,特別養護老人ホームで話題になっている「カーテンを各ベッドに」「床ずれはゼロに」「おむつ交換は濡れたらすぐに」「悪臭追放」「日中離床」等が,肩に力を入れないでごく普通に,しかも当たり前に生活介護の中に導入され,その結果気がついたら高い標準を保っているホームでありたい,というのがその意味であろうと共感して帰ってきた.
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