連載 西村かおるの訪問看護留学記—英国編・21
クンちゃんの死に思う
pp.928-931
発行日 1988年9月1日
Published Date 1988/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922094
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5月の光の中で
5月5日.ワープロがプリントしている間,日本では子供の日なんだろうな,とぼんやり思いながら,命の象徴のように伸びてる緑が,お日様にさざめくのを部屋から見てた.何という理由はなく,外に出てみたくなって廊下に出たら電話が鳴り始めた.
「日本からワ・タ・シにだ」と,なぜか直感のようなものを感じて階段を駆け下りた.受話器を取る手が震える.日本人の交換手から代わったのは聞き慣れた友人の声.「もしもし,かおる?」
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