連載 高齢化社会の福祉と医療を考える・20
ケアの基本的意味を考える
木下 康仁
1,2
1立教大学社会学部
2(財)日本老人福祉財団
pp.402-405
発行日 1988年4月1日
Published Date 1988/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923134
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ケアを流行語に終わらせないために
ケアという言葉がいつ頃からどのような形で日本で使われるようになったのか勉強不足でよく知らないのだが,この言葉は今では日本語として立派に市民権を得ているように思われる.少なくとも使用される頻度や範囲でみる限り,こう言ってさしつかえないであろう.見方によれば,濫用気味に思われるかもしれない.主に医療・看護の分野や福祉的サービスの分野で使われているのだが,最近ではマス・メディアを通して私たちの日常語にもなりつつある.
しかし,ケアとは何か,どういう意味の言葉なのかと改めて問われると,答えにとまどうのではないだろうか.これだけ使われている言葉なのに,その肝心な意味についてはわかっているようで実はよくわからないのである.
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