連載 医のなかの想い—ドクター“のぞみ”の院内日誌・15
学生への一通の手紙
小笠原 望
1
1高松赤十字病院第1内科
pp.290-291
発行日 1988年3月1日
Published Date 1988/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921946
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手紙をどうもありがとう.あれからずっと重症の患者さんが続き,返事が遅くなりごめんなさい.毎週毎週患者さんが亡くなり,昨日は朝の5時と夜7時に2枚の死亡診断書を書きました.
「本当のところがどうなっていたのか,先生の目で確かめて下さい」と奥さんに言われ,夜亡くなった患者さんは,12時近くまで剖検をさせてもらいました.結果を剖検室の前で話す時の緊張感はいつものことですが,その後で息子さんに「先生,ありがとうございました」と手を握られたのにはびっくりしました.
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