特集 不安定腰椎(第18回日本脊椎外科研究会より)
座長総括
「Ⅵ.術後の不安定性」
金田 清志
1
Kiyoshi Kaneda
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
pp.362-363
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900066
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演題32は腰椎椎間板ヘルニアの骨形成的椎弓切除(78例),Love法(18例)の平均術後11年の追跡で,X線写真上にて椎間不安定性と,椎間板圧縮と開大,前後方向への辷たりにつき調査し,不安定性の出現を認めなかった.
演題33はLove法施行後平均6年の87例の検討で,手術椎間に7.4%,上下隣接椎間に3.3%で不安定性がおこっていた.前方固定72例中15例32%にて隣接椎間板に不安定性の出現を認めた.この2題への討論では,術前手術を要するヘルニア例の側面機能写では十分な可動域の得られないことがあり,術前後の機能写での不安定性比較は必ずしも意味がない(岡山大・中原)との指摘もあったが,現時点ではこれに代り得るものはない.脊柱不安定性評価の基準作成にはいくつかの解決されねばならない課題がある.前方固定術後の隣接椎間での不安定性出現に対し,固定椎間にアライメント異常がなかったか(富山医薬大・加藤),千葉大での30年以上経過例で10年以内の早中期例で隣接椎間に不安定性を認めても,その後は不変かrestabilizationの時期をむかえ成績は安定している(千葉大・宮本)という発言があった.
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