連載 二人三脚の闘病記・10(最終回)
天国(ヒロシ)からの贈り物
我妻 令子
pp.1016-1019
発行日 1987年10月1日
Published Date 1987/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921837
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今,私の手の中に一つの指輪が握られています.いくつもの小さなダイヤがちりばめられた四つ葉のクローバーを金でふちどりした指輪です.はめ込まれたダイヤの光が炎のように見えたり,そのまま夜空に飛び立つ星の子供たちのようにも見えたりします.じっと眺めていると洋の面影と,この指輪を下さった美しい婦人の顔とが重なり,婦人の面影が,洋の顔の中にすーっと消えていくように見えることもあります.
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