和漢診療の実際・17
診察法の実際[3]—腹診について
寺澤 捷年
1
1富山医科薬科大学附属病院和漢診療部
pp.492-495
発行日 1987年5月1日
Published Date 1987/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921718
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‘腹をたてる’‘腹の中が煮えくり返る’‘腹の虫が治まらない’とか‘腹が座っている’‘太っ腹な人だ’など私たちの生活の中で用いられる“腹”という言葉はずいぶんと感情や理性と関連していることに気づく.くわしくこれについて研究したわけではないが,“腹”に感情や理性の場を求めるのは日本人の特殊な文化ではないかと考えている.おそらくこのような文化的な背景も一役買って,江戸時代の中頃にわが国において腹部の診察法が開発され,発展し,今日に受けつがれている.今回は,この腹部の診察法,つまり腹診の実際について記してみよう.
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