学生の広場
今,看護学生に必要なのは,自己啓発の機会を自ら得ること—‘全人的医療を考える会’第4回サマーワークショップ’86 in京都に参加して
加藤 麗華
1
1聖路加看護大学
pp.163-168
発行日 1987年2月1日
Published Date 1987/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921641
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はじめに
今,私たち看護学生に欠けているもの,それは一体何でしょうか.私が看護大学に入学以来今日まで考えてきたことは,チーム医療は他専門職との協力により成り立っていると教えられてきているにもかかわらず,学内ではそのような教えを直接受ける機会が存在しないということでした.入学して1年が過ぎようとしている頃,看護の対象は‘人間’,しかも社会生活の中で機能している‘人間’であると教えられるけれども,自分自身を振り返ってみると毎日のカリキュラムをこなすのに必死になるために周囲が見えなくなり始めており,自分の視野が狭くなってきているのに不安を感じました.
その頃,医師の卵たちの中で,病気ではなく病気を持った人間を診なくてはという議論が関東各地の大学からわき始めていました.今日,ここに紹介するサマーワークショップ’86in京都はそういった学生たちのエネルギーの塊であり,爆発であります.
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