癌と駆けっこ・12(最終回)
目下闘病中
刑部 慶子
pp.1404-1407
発行日 1986年12月1日
Published Date 1986/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921595
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腸閉塞が少しずつよくなる
直腸癌の治療は8か月かかって6クール行なわれた.前回の卵巣癌の場合は6クールで完全に治った(寛解)といわれたのだが,今回の直腸癌の場合,6クールでは治りきっていなかった.1か月毎に行なっているCTスキャンの結果,6クール終わっても,まだなお悪い所が残っているというのだった.
私は本当にがっかりした.無症状のうちに発見された癌だったので,自分でも割と簡単に治るような気がしていた,ところが,それが意外としつこい.しかし,相手は癌である.癌との闘いは,相手が根絶するまで終わらないのだ.こうなったら何クールでも,敵がやられるまで治療を受けてやろうと私も腰をすえる.
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