ちょっと一言 総婦長のつぶやき
手のぬくもりと柔らかさ
榛葉 由枝
1
1岡村記念病院
pp.1169
発行日 1986年10月1日
Published Date 1986/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921545
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10年余りも使い慣れてきた電気釜がとうとう壊れてしまった.仕方なく新しいのを買い求めたところ,タイマーだの,メモリーだのと説明書と首つぴきでないと手に負えない.コンピュータを知らないとご飯も食べられない時代になったのかと,少なからず焦りを感じた.‘始めチョロチョロ,中パッパ,赤子が泣いても蓋取るな’はもう昔の語り草になってしまったと嘆きつつも,使い慣れてみると,結構便利なものだ.
先日機会があって,ホスピタルショーをのぞいてみた.ご多分にもれず,会場は様々な機器類で埋め尽くされていた.カルテや伝票の処理は言うまでもなく,医療機器の目覚ましい進歩は,身体のすみずみまでの探索を可能にしつつある.それによって多くの生命が救われるようになったことは周知の事実である.そのためなのか,どの説明者の背中にも,ある種の自信みたいなものが感じられた.
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