NURSING THEORY 看護理論ってなあに?・7
“パースィ看護理論”を読む[3]—看護の基盤を問い直そうという人への誘い
高橋 照子
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1千葉大看護学部看護教育学講座
pp.734-735
発行日 1986年7月1日
Published Date 1986/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921452
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人にはさまざまな生き方があるように,人間の営みである学問や理論にも,主体であるその学者の生き方が現われる.学者,研究者として,既存の理論体系の範囲で自分の持っている問題を解くこともできれば,その問題を解決するために,より適切な枠組を求めて,新たな理論体系を創っていくこともできる.
パースィ博士は後者を選び,“健康を—生きる—人間:パースィ看護理論”を著した.それは同時に,これまでの疾病中心的な看護や,実験や数量化されたデータだけが科学的であると見なすような看護研究などに対し,‘本当にそうなのだろうか……どこか違う,何か変だ……’という疑問を抱き,これまでとは違う看護や看護研究へのアプローチを求めていた看護婦,‘看護領域の境界(edge)を開拓しようとしている看護婦(p.167)’たちへの呼びかけでもある.
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