痛みの臨床・20(最終回)
痛みの意味の発見
中島 美知子
1,2
1ニューホープ・ペインセンター
2オリブ山病院
pp.1409-1412
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921274
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
私は,痛みの意味を発見することが痛みの治療の最前線であり,また今後の方向でもあると考えている.痛みの意味には,否定的な意味と積極的な意味がある.前者は痛みによって表現される怒りや敵意などの,隠れたいまわしい感情であり,心身症としての慢性痛(特に慢性良性の手に負えない痛み症候群:CIBPS,連載3回目参照)にみられる特徴である.
後者は癌性痛やリウマチ,そのほか難治性の痛みのある患者が,自分の痛みのある状況に対して,より積極的な高い次元での意味づけを発見することを通して痛みを耐えやすくし,現実に痛みも減少することが神経生理学的に証明されている.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.