痛みの臨床・1
痛みの考え方の歴史
中島 美知子
1
1ニューホープ・ペインセンター
pp.569-572
発行日 1984年5月1日
Published Date 1984/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920776
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
医学の歴史は痛みとの闘いから
医学の歴史は痛みとの闘いに始まる.‘原始の森で人間が最初にあげた痛みの叫び声こそ,人間が医者を呼び求めた初めであった’と,医学史研究で名高い米国の医師V.ロビンソンは,その著書“TheStory of Medicine”1)と“Victory Over Pain”2)の冒頭を,この言葉で始めている.
1983年12月某日,米国のテレビで癌の特集番組があった.その中で,ある高名な老医師は末期の病床から,‘すべての医者の第一になすべきことは痛みを止めることだ’と訴えていた.医学の黎明期から現代まで,痛みとの闘いは医学に一貫して課せられた重責である.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.