訪問看護 私たちの実践レポート・18
癌末期患者の訪問看護を通して—在宅でのターミナル・ケアの可能性を考える
柳原 清子
1
1武蔵野赤十字病院医療社会事業部成人保健相談室
pp.1037-1041
発行日 1985年9月1日
Published Date 1985/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921188
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余命3か月と診断されたAさんをめぐる介護と看護
訪問看護を始める
Aさんは75歳の老婦人.昨年10月,胃癌で手術を受けました.転移がひどく,バイパス手術のみで,余命3か月と診断されました.Aさんは80歳になる夫と2人暮らしです.
11月,家に帰ったAさんは,初冬の日差しを浴びて,居間から庭を眺めるのを日課として過ごしていました.訪ねてゆくと‘昨日,牛乳が1本飲めたのよ,スゴイでしょう’と自慢げな報告が返ってきます.入院中は食事はほとんど食べられず,手つかずの食事がいつも床頭台の上にあったものでした.
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