特集 死と公衆衛生
チーム医療とターミナル・ケア
岡安 大仁
1
Masahito OKAYASU
1
1日本大学医学部第一内科学教室
pp.540-543
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207096
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■はじめに
チーム医療の必要性が強調されるようになったのは,ICUやCCUあるいは,心臓外科手術の発達と普及に伴っている.それは,これらの救急でしかも高度の技術を要する医療が,外科医・麻酔医・内科医さらに看護婦(士),医療技術者,その他の多職種の協力なくしては,万全には行われえないからである.一方,ターミナル・ケアは,最近20年の間に急速にその特質が強調されるとともにその組織も急速に発展しつつあるが,ロンドンのst.JosephsならびにSt.christopherホスピスが,近代的医療の欠陥を補うべき医療の代表として知られ,現在北米では約2,000を数えるホスピスないしホスピス・チームが存在するといわれている.また,一昨年ライフ・プランニング・センターの国際セミナーに来日したB.M.Mount1)が,総合病院におけるpariative care unit(PCU)を紹介している.これは多職種による充実したケア組織であり,筆者は,これをintensive pariative care unit(IPCU)というべきものと感じている.
慢性疾患の臨死患者は,高齢化社会とともにますます増加すると思われるので,医療の中で占める比重は今後さらに増大するであろうし,どのようなチーム医療の形態がありうるか,そしてその実施に向かってどのように努力しなければならないかは,今日医療に携わる者の避けて通れない問題といえよう.
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