特別対談
人を看るこころ見つめるこころ[2]—看護とルポルタージュを通して
都留 伸子
,
向井 承子
TSURU NOBUKO
,
MUKAl SHOKO
pp.906-910
発行日 1985年8月1日
Published Date 1985/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921158
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ルポルタージュ,ノンフィクションへの期待
都留 最近,ルポルタージュとかノンフィクションとか,事実を素材にしてお書きになる方がふえてきているようですが,私はこの方面のお仕事に対して,ずっと関心を持ってきました。それはどういうことかと申しますと,例えば,闘病記などもずいぶん出版されるようになりましたが,1つには患者さんに本音を言ってほしいということがあります.それによって私たちはフィードバックがいただけるのです.
もう1つは,危険な今の時代への警鐘という意味でノンフィクションの分野に期待している部分があります.人の命への対応の仕方,自然治癒力をむしろ妨げているようの医療の過剰な介入など,人間の自然に対するおこりというのか,科学への過信が目に余るようになってきました.人間が創り出したもので人間が受難するというか……私はとても怖いことだと思います.
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