特集 申し送り・再考—看護ケアの充実のために
申し送りの時間短縮を目指して—カーデックスの記載方法の改善を試みて
森谷 チヨノ
1
,
高橋 ひろみ
1
,
熊谷 節世
1
,
高橋 真理子
1
,
進藤 喜枝
1
1国立仙台病院脳卒中センター
pp.632-636
発行日 1985年6月1日
Published Date 1985/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921103
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はじめに
申し送りとは,交替制勤務において継続した看護活動が行なえるよう,必要な情報を漏れなく伝達することであり,看護の質を向上させるものでなければならない.さらに,良い申し送りの条件としては,看護活動に対して評価が含まれている内容であること,要点が良くまとめられ,簡潔で重複していないことなどが挙げられる.
当センターは開設されて7年が経過しており,従来から申し送りの手段としてカーデックスを使用している.救急入院に伴う脳卒中急性期の術前,術後から,ADL拡大の時期にある患者,および遷延性意識障害患者に至るまで各段階にわたっており,申し送りの内容も,脳外科特有の意識・麻痺の推移,看護ケアの内容,検査,処置,更に家族の抱える問題などで時間を多く費やしていた.そのため,業務開始が遅れ,カンファレンスが指示報告の場であったり,急性期患者の観察にとらわれ,ベッドサイドケアの時間が充分とれないなどの問題があった.そこで,申し送りのあり方を振り返る中で,カーデックスの活用方法の検討を重ね,幾つかの成果を得たので報告する.
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