AGING アメリカの老人ケア見てある記・12(最終回)
痴呆への取り組み—アン・アーバー,コスタ・メサ,シカゴ
青木 信雄
1
1五木田病院
pp.1426-1428
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920961
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痴呆患者の問題はアメリカでも日本と同様,あるいはそれ以上に深刻なようです.日本では脳血管性痴呆(多発梗塞痴呆)が半数以上を占め,その予防,進行防止,リハビリテーションなどにある程度の手がかりがあります.アメリカでは逆に老年痴呆(主としてアルツハイマー病)が半数を占めるため,現時点では有効な治療法がないということで,医療対象から外されがちです.例えば,老人医療保険(メディケア)でも,数日間の検査入院しか認められていないようです.
アメリカでは,アルツハイマー病と脳血管性痴呆の出現頻度は,65歳以上のそれぞれ6%,2%と見積られ,他の原因のものを合わせると,日本の場合(1974年東京都調査で4.5%)と比べて倍近くなると思われます.痴呆が基盤となる死亡割合も高く,4,5番目に入るようです.
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