連載 海外留学通信
シカゴ大学ホスピタリストの実態
赤澤 賢一郎
1
1Short Term Scholar Hospital Medicine, University of Chicago
pp.579-581
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900383
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これは,自分で確かめるしかない
救急部門,病院内科部門の閉鎖や縮小などのニュースを新聞やインターネットでたびたび目にする。新研修制度により医師を確保しにくくなったこと,中堅からベテラン医師の離職,人手が足りなくなったことに伴う過労,それがさらなる離職を引き起こす。この負のスパイラルが医師不足,市中病院の医師不足,診療部門の閉鎖や縮小の一因と考えられている。そうしたなか,医師の離職により診療継続が危ぶまれた江別市立病院で,総合診療医が中心となって困難を乗り越えた成功例は衝撃的で勇気づけられた。主導的な役割を果たした総合診療医の存在が注目される一方,太平洋の向こう側,アメリカではこの10年ほどでホスピタリストが急速に増えており,日本でもその存在が知られるようになっている。
総合診療医とホスピタリストの共通点として,ジェネラルな診療能力を有し,身体的,社会的にさまざまな問題を抱えた患者に対して質の高い,効率の良い医療を提供することが可能であることが挙げられる。一方で,「ホスピタリストと総合診療医の違いは何だろう?」そして,残念ながら江別市立病院などの一部の例外を除いてここ数年で医師不足が解消しているという話はあまり聞かないのだが,「ホスピタリストはこの問題を解決することができるだろうか?」という疑問がわいてきた。
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