特集 末期肺癌患者とのかかわり方を考える
肺癌の病理と治療
加藤 治文
1
,
西宮 克明
1
,
野口 正之
1
,
早田 義博
1
1東京医科大学・外科
pp.1354-1360
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920946
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はじめに
肺癌の死亡率の増加は全世界的なものであるが,これは肺癌そのものの増加はもとより,発見される肺癌の大部分が進行期のものであることにもよる.
肺癌の組織像は多彩で,その組織像を反映して生物学的特性も異なる.従って肺癌の予後決定因子は多様であるが,最大因子は組織型と病期である.すなわち,早期に発見されれば予後は満足できるが,進行期では治療成績に期待はできない,早期に肺癌を見つけることは大変困難で,従って大部分の進行癌に対する治療が現在直面している最大の問題点であろう.患者の自覚症状も進行するに従って増強し,苦痛の多い患者の悩みをいかに改善するかが,我々医療従事者の義務である.
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