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特集 転移性肺癌診療の最新ストラテジー
転移性肺癌の診断
Diagnosis of metastatic cancer of the lung
平野 隆
1
,
加藤 治文
1
,
瓜生 和人
1
Takashi HIRANO
1
1東京医科大学外科第1講座
キーワード:
転移性肺癌
,
画像診断
,
組織細胞学的診断
Keyword:
転移性肺癌
,
画像診断
,
組織細胞学的診断
pp.31-36
発行日 1997年1月20日
Published Date 1997/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902611
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外科医が転移性肺癌の診断をするうえでまず念頭におくべきはその手術適応であるが,外科治療についての考え方は切除症例の蓄積とともに推移してきた.しかし,一般的には早期発見された症例ほど外科治療の対象にしやすいことはいうまでもない.われわれは癌患者の術後検査として,胸部X線撮影・腫瘍マーカーを含む血液生化学検査を年に3〜4回,胸部X線CT撮影を年に2回行っている.原発巣治療後の癌患者に胸部異常陰影を発見したときは直ちに肺転移としがちであるが,癌患者では第2原発癌としての肺癌の発症や免疫力低下に基づく感染症併発の可能性は一般対象群に比較しきわめて高い.したがって,組織・細胞学的診断は大変重要である.肺野の腫瘤陰影として見ることの多い転移性肺癌は経皮的針細胞診が有効であるが,症例ごとに適切な腫瘍細胞の採取法を考慮し,正しい治療法選択に役立てるべきである.
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