選ばれた母親 障害のある我が子と生きて・11
「しんご君が手をぱあっとひろげて『おねえちゃん』ってくるの」
大和田 とき子
1
1神奈川県立ゆうかり園
pp.1286-1287
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920930
- 有料閲覧
- 文献概要
おやつをカリカリ食べられるようになりました
また,ゆうかり園での訓練が始まります.久しぶりに来た辰吾を見て,あまりの変わりようにびっくりした様子です.早速医師にも見てもらおうということになり,うれしいのですが,ちょっと複雑な心境になっています.この半年余のどん底の時,辰吾はもちろん,私も半分やる気をなくし,もうこのまま寝たきりの生活が一生続いていくのでは—とあきらめ,悲観的になっていました.
訓練でも目に見える変化がなく,きっと訓練士さんもやる気をなくしていたのではないでしょうか.そんな時,少しでも子供らしく,人間らしく扱ってもらえたら,親も喜んだのに—と今でも思います.子供の中で,遊びながら刺激を与えていく,という訓練をしてもらえたら,親もホツとできたのにと思います.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.