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特集 診察の守備範囲をひろげる
Editorial
診察の守備範囲をひろげるために
Physical Examinations in the Ambulatory Care
菊地 博
1,2,3
1菊地内科クリニック
2日本医学教育学会
3日本臨床内科医会
pp.680-681
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901246
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- Abstract 文献概要
明治33年(西歴1900年)の日本人の平均寿命は男性36歳,女性37歳であり,多くの人は結核症をはじめとする感染症で死亡したが,90年後の平成2年(1990年)では男性76歳,女性82歳と2倍以上に延び,悪性腫瘍,脳血管障害,心臓病,ウイルス性疾患(肝炎,AIDS)などに死因が変わってきた.わずか90年で平均寿命が世界一となり,先進国が100年以上もかかったことを90年間で達成したのである.ことに第二次大戦後40年間の医学・医療の進歩は目覚ましく,医師は知識・技術の習得のみに追われ,全人的医療の医学教育などおろそかにせざるを得なかった.一般内科の研修や診療においても,器質的疾患の診断・治療にのみ汲々として,人間の社会的・心理的アプローチに対する教育が十分でなかったことを残念に思っているわけである.
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