ちょっと一言 総婦長のつぶやき
小さな島に魅せられて
木村 千枝子
1
1小平記念東京日立病院
pp.1285
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920929
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無事に離陸して,飛行機が成田を飛び立つと,張りつめていた糸のようなものが‘プツン’と音を立てて切れていく.心地よい振動に身を任せながら,お気に人りのシェリーを傾ける.手荷物の中には必ず数冊の推理小説—これが私の旅のパターン.
ポリネシヤ,ミクロネシヤの小さな島に魅せられて,年に1回,それもほんの1週間程の旅に出るようになった.ニューカレドニア,ニューヘブリデス(この島は私が旅行した数年後の1980年に,バヌアツ共和国として独立した),オアフ島,カウアイ島,バリ島,フィジー.どの島も空はあくまで青く,海はどこまでも透明.白砂の浜辺には人影もなく,自分の足音と鳥のさえずりだけ.シーズンを避けての旅は,ことのほか快適だ.
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