グラフ
見事に動線の確保された救急看護—「できる限り患者のそばで」のケアを目指す都立広尾病院
八木 保
,
本誌
,
東京都立広尾病院看護部
pp.616-621
発行日 1984年6月1日
Published Date 1984/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920787
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東京都立広尾病院が東京都東部をケアする救急・公害・心臓病の専門病院として再スタートをきって3年半が経過した.特に力を注ぐ3次救急看護では,救急車到着と同時に速やかに処置に移れる体制が整えられ,救急処置・検査→ICU・CCU→病棟という医療の動線が見事に確保されている.現代社会を反映して,大気汚染による気管支喘息患者や熱症患者も多いが,こうした患者の緊急時に即応できるよう病院の近代化も図られ,最新の医療器械を駆使した徹底した患者の病態管理が行われている.また東京都島嶼の医療を充実させるために,島嶼の診療所と同病院の間を電話回線で結び,ファクシミリや心電図のモニタリングなどを通しての遠隔診断・治療を可能にしている.屋上にはヘリポートを備え,島嶼の診療所で手に負えない患者を30分という短時間で直接,広尾病院に運び治療できる体制が確保されている.
救急患者を200名以上ケアする同病院には,救急車の到着しない日はほとんどないと言っていい.サイレンの音が聞こえる度に処置室の看護婦は緊張を強いられ,ストレッチャーを急いで搬送することも多い毎日だ.
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