病院長プロフイル
病院管理・看護教育の父都立広尾病院長原素行氏
長岐 佐武郞
1
1都立荏原病院
pp.20
発行日 1953年4月1日
Published Date 1953/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200625
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広尾病院長原素行博士は,入沢内科出身の貴公子である。秋田市の名医原平蔵氏の嫡子と生れ,長じて大正6年東京大学医学部を卒業するや,薬物学教室,大学院に研さんをつみ,その後入沢内科に籍を置き,大正11年医学博士の学位をうけた。一時,尊父のあとを郷里についだが,鳳心ついに彼を偏土の一名医たるに甘んぜしめず,昭和3年より6年まで同仁会青島医院長として日支親善に活躍した。同年東京市に舞いもどり,市立大久保病院副院長から城東病院長,ついで現在の広尾病院長と順調に進んで20数年間,到とう東京都に根をおろしてしまつた。
原さんは,故神保孝太郞博士の女婿であり,弟君は九州大学医学部を出で小児科を専攻される原弘毅博士として有名であり,令妹は森鷗外博士の御曹子森於菟教授に嫁しておられる。かくて原院長が名医家の出身であるのみならず,親戚弟妹また悉く名医門につながる。蓋し風貌の貴公子然たる——もつとも頭は大分光つてきたが——またうべなるかなである。
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