連載 リレーエッセイ 医療の現場から
患者からみた医療スタッフの動線
堀 エリカ
pp.1069
発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101605
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「病院」,それは病の不安を持った人たちが訪れる場所です.
「どんな病気なのかなぁ」「手術をすることになったら怖いなぁ」などといった思いや緊張を胸に,患者さんは病院の門をくぐります.
病院の中に一歩足を踏み入れると,多くの患者さんにとって,そこは“異次元の世界”.鼻をつく消毒液の“匂い”,医療器具の無機質な“音”,そして自分が病院にいることをいやが上にも実感させる医療スタッフの“白衣”….病院という組織に属する者には日常でも,患者さんにとっては非日常であることから,ただ病院にいることさえ,精神的な負担を感じます.そのため,診察順が回ってきても,疲弊感や緊張感から,言いたいことがうまく言えないまま,診察が終わってしまう人も多いようです.私たち医療者は,日常業務が多忙になると,こうした患者さんの心理状況を見逃しがちになります.私自身を含め医療者や病院への提言として,①受付から診察前,②診察時,③診察後の3つのステージごとに,「スタッフの動線としてこれだけは注意してほしい」と,患者さんからよく指摘されるものを紹介したいと思います.
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