インフォメーション 新しいナーシングケアのために
コーピング(Coping)
近藤 房恵
1
1桜ヶ丘保養院
pp.23
発行日 1984年1月1日
Published Date 1984/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920664
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コーピング(Coping)とは,新しい概念で,研究者間でその定義,機能,プロセス,分類等に,まだ一致した見解をみない.Lazarusは,コーピングは‘恐れを処理する方策である’と言い,Hamburgは‘困難な状況のもとでの適応しようとする行為’と定義している.PearlinとSchoolerは,Lazarusの考えをさらに深め,‘コーピングは,問題のある社会的経験によって心理的に傷つくことから人を守るような行動を意味する’と定義している.
コーピングの概念が包括する領域は,非常に幅広く,すべての適応行動を含んでいるのではないかと考えられる.また,防衛機制と比較して考えてみると,2つの点で異なり,Hamburgが言うように,防衛機制もコーピング行動(Coping Behaviors)の一部分でしかないと考えられる.相違点のひとつは,防衛機制は,純粋に心理的働きに限定されているが,コーピングは,心理的働き以外に,問題解決法や感情処理に関する行動も含まれている.
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