特集 ICU症候群を定義する—アプローチの方策を求めて
ICU入室患者の訴えの分析を通してアプローチのあり方を考える
高田 三代子
1
,
斉藤 千里
1
,
尺田 峰
1
,
楠橋 初美
1
1岡山大学医学部付属病院ICU
pp.1373-1382
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920021
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はじめに 近年,ICUシステムによる重症患者の集中管理が普及し,効果をあげている反面,精神障害の発生が問題となっている.間断なく行われる処置,周囲を取り巻く特殊な器械類により精神的安定が得にくく,患者の苦痛・不安は多大であると思える.私たちは,その苦痛や不安を最小限にとどめ,少しでも精神的に楽になるように,ICUの環境調査,術前訪問を実施し,家族への援助,患者とのよりよいコミュニケーションを心がけている.しかし緊急入室となった患者の多くは,環境や自分の状態を認識できず,看護の難しさを感じることが多い.
ここに長期間ICUに入室した患者で,術前訪問を実施しなかった事例と,緊急入室となった事例を振り返り,患者の訴えの分析を通してアプローチのあり方を考えてみたい.
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