特集 ICU症候群を定義する—アプローチの方策を求めて
ICU症候群—私はこう考える
市川 幸枝
1
1北里大学病院ICU・CCU・救急センター
pp.1366-1371
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920020
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに 私の勤務しているICU・CCUには,脳神経・胸部・腹部など外科系疾患,多発外傷,熱症,心筋梗塞と,循環・呼吸・代謝系に問題のある患者が,昼夜を問わず入室している.これらの患者が急性期を脱し,病棟へ転出するまで看護していく中で,突然不穏状態を呈し,ドレーンや各種ルートを抜去するなどの行動を起こす患者がある.これらの患者とは,看護婦側が度重なる説明を行ってもコミュニケーションがとれず,看護婦の行為も一方的なものにとどまりやすい.
また私たちICUに働く看護婦は日ごろ,刻々と変化する身体的病状を観察し,即応することには慣れていても,こうした突然不穏状態を引き起こす患者の心理的経過をとらえて看護することに不慣れで,困難さを感じている.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.