原著
東北一農村における高血圧対策の評価
佐々木 直亮
1
1弘前大学衛生学
pp.155-162
発行日 1964年3月15日
Published Date 1964/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202804
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はしがき
秋田県由利郡西目村の保健婦さんから,村の高血圧対策について,はじめて相談を受けたのは,昭和32年7月5日秋田市で第6回東北6県地方公衆衛生学会が開かれたときのことであった。
西目村は有能な指導者たちによって,明治・大正・昭和と,健康農村建設への着実なあゆみをつづけている村である。昭和30年に現村長が就任してから,健康農村建設が村政に大きくとりあげられ,結核対策については,近くの村に来ておられた岡治道博士の指導を受け,ほぼ全員結核検診を受けるようになるなど,当時村としての結核管理態勢は軌道にのっていた。昭和31年から,国民健康保険が実施され,村民の死亡内容の検討が行なわれたが,現在どの町村でも直面していると考えられる死亡様相の変化,すなわち,所謂成人病のしめる割合が増加していることを認め,とくに死因順位の第1位をしめる脳卒中が村の問題となっていた。
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