ナマステ!ネパール・4
垣間見たネパールの医療事情とナース
秋田 智枝
pp.466-469
発行日 1983年4月1日
Published Date 1983/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922931
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避妊の知識・技術の普及など家族計画は重要な施策
9月7日,カトマンズの中心街にある国立ビル病院へ見学に行きました.その前々日,デベンドラさんのおじさんのシャム・クリシュナ・サヤミさんの職場へ行き,お願いしたのです.このおじさんは,現在,H. M. G.(His Majesty Government of Nepal Ministry of Health Family Planing)という所に勤めています.ファミリープランニング,つまり‘家族計画センター’といったところでしょうか.そこは,ネパールにすれば実に立派な近代的な建て物で少し意外な印象を受けました.外は暑くても,ここはレンガづくりの建て物なので,ひんやりとした空気が心地よく感じられました.入ると,女の人が数十人,床に座っています.あとから聞いてみたら,ピル(経口避妊薬)の無料配布を待つ人たちでした.外来オペでパイプカットもここでしているようです.ピルはアメリカ製で,街の薬局でも売っています.コンドームも同様で,1個1.0-1.25ルピーぐらいでした.
日本では避妊知識・技術はかなりの人々に普及していると思いますが,ここでも同じく重要なことのようです.今現在,驚くほどの子だくさんという人に私はまだ出会っていませんが,デベンドラさんが先日会った人は,なんと17人兄弟ということでした.これには,“ネパール人もびっくり”で,思わず1人の同じお母さんですか?双児がいるのですか?と聞いたそうです.答えは,1人の母親が1人ずつ生んだということで,全く驚いてしまいます.
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