特集 ゆがむ母子関係と病む子供
子供の発達を阻害する母子関係のひずみ
塩崎 扶美子
1
1国立療養所香川小児病院学童病棟
pp.772-776
発行日 1983年7月1日
Published Date 1983/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919888
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はじめに
母親の子供に対する愛情はたとえ本能的なものとしても美しいものであり,子供の心身の発達段階において,その愛情体験が大切であることはいうまでもない.しかし,その愛情は子供に必ずしも適切な形で与えられているとは限らない.愛情が不足したり,逆に多すぎて過保護になったり,あるいはゆがんだ形で与えられたりすることが少なからずみられ,その結果生じた母子関係のひずみが子供の発達に悪影響を与え,心理的障害を起こした事例が多数報告されている.
当学童病棟には現在,精神・神経疾患を持った41名の患児が入院し,全員隣接した県立養護学校(小・中学校)に通学しながら治療を受けている.
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