特集 看護のなかの性
看護において患者の性をどうとらえるか—私はなぜ患者の性を拒むのか?を追求するなかから
福原 隆子
1
1静岡女子短期大学看護学科
pp.276-281
発行日 1983年3月1日
Published Date 1983/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919806
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出発点:私はなぜ患者の性を拒むのか
‘性とは人間の示す生物学的諸現象の要(かなめ)であり,我々の生活のあらゆる側面に浸透し,しかも生涯の各段階ごとに新しい姿を示す変幻自在の現象である’1)といわれている.
一般にいわゆる性的と言われるのは,下半身や身体の一部分としての性器などそのものを指す概念,ないしはそれから派生するいろいろな現象2),言い換えれば,性的欲求によって引き起こされる意識や生体の反応などを示すもので,生生しい,怪しげな,一瞬近づくことをためらわせるような,それでいてまた引きつけるような,何か魅惑的なベールに包まれた世界を連想させるものである.
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