ナマステ!ネパール 女ひとりの見てある記・2
カルチャーショックの一夜
秋田 智枝
pp.226-228
発行日 1983年2月1日
Published Date 1983/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919796
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8月15日の夕方5時40分(現地時間)私はトリブーバン空港に着きました.ダウラギリ1峰への登頂を目指す登山隊と一諸にネパールに入ったものですから,入国の際のチェックにはかなりの時間がかかりました.でも,それほど荷物の中味は調べられなく,ほっとしたのですが,横を見ればネパールから外国に行って帰って来た人は,もう,それこそ洋服の1枚1枚をひっくり返して見るような調べ方です.それをみんな紙に記入して,課税していくようです.電気製品には,185%くらいの税金がとられます.例えば2万円のテレコなら,税金を3万7000円とられる訳です.
そのような事情があるので,現地の人は日本人と知り合いになったりすると,もしまたネパールに来るなら,どうかテレコを隠して持って来て自分に売ってほしい,と頼んだりすることがあるようです.私も,日本の曲がなつかしくなると思ってウォークマンタイプのテレコを持って来たのですが,これは入国の際にパスポートに記入されてしまったので,現地で売ることはできません,出国の時に無くなっていて,紛失証明書などがないと,売ったとみなされて,税金をとられます.
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