当直医日誌
突然死のあった当直の一夜
亀井 徹正
1
1聖路加国際病院内科
pp.49
発行日 1977年3月1日
Published Date 1977/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206176
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○月○日土曜晴れ
もう1年目のレジデントは1人で当直をしているのだが,偶然居合わせた私が手伝うことになった.大変な当直の一夜であった.
午後7時30分.帰宅前に当直室の前を通りかかると,当直のDr.Hにつかまってしまった.やや興奮した面持ちで,彼は一気にまくし立てた.胸水のために夕方,一般病棟に入院した患者の脈が遅いとのレポートを受け,心電図をとったところ,脈は40/分以下で不整,良く分らない,どうしたら良いかとのことである.週末なので,相談相手が誰もおらず困っていたらしい.心電図では大変な洞性徐脈で房室逸脱が認められる.明らかな心筋硬塞などのパターンはない.患者の意識は良い,すぐCCUに移しモニターする.幸い,アトロピン,イソプロテレノールに反応したが,ペースメーカー挿入の適応と判断された.不幸なことに,きょうは循環器系専門のDr.NもDr.Iもいないのだ.僕1人ではちょっと自信がない.
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